パソコンが腰痛の原因だった?50歳、女性、I.Yさん

主訴

左腰痛
慢性的に腰痛があります。通勤の電車で立っていると痛みが強くなります。
また、仕事で長く座っていると痛みが出るので自分でストレッチをしている。
左脚にも違和感がある。

既往歴

2012年、子宮筋腫摘出

検査結果

膝を伸ばしたままの脚上げテストで、大腿の裏の張り(左>右)
ブラインドスポット(盲点)テストから左側頭葉の亢進
光テストから左上外側からの光刺激に過敏(眩しい)

経過

今回の患者さんは、通勤途中にずっとスマホを見続けているとのことから光刺激と関係があるのではないかと推測して、2種類の目の検査をしました。これは、目といっても目を通して脳の働きを調べているのです。
ブラインドスポットは、左目は右脳の働きを表します。右目はその逆です。水平から上側が側頭葉の働き、下側は頭頂葉の働きを表します。脳の働きによって大きさが変化します。脳の働きが良いと小さくなり、悪くなると大きくなります。
I.Yさんは、左側上が小さく右側上が大きくなっています。また、光テストで左上外側からの光に眩しいことから右側頭葉の働きが良すぎて光を感じやすいということが分かります。脳は、働きのバランスが大切です。働きが偏ることで機能障害が生まれます。今回は左半身の筋肉の働きを伝える右頭頂葉の働きが低下したものと思われます。
左目に外側上から赤い光を当てて右側頭葉の働きを緩和させることで腰痛が改善されました。I.Yさんは、パソコンで広告を作る仕事をしているので右側頭葉を良く使っていることになります。現在ほとんどの方がパソコンやスマホを使いますが、腰痛の原因になるということです。気をつけましょう。

頭痛の後に吐き気がしたけど大丈夫?45歳、女性、会社員、N.Mさん

主訴

2週間前に、朝目が覚めた時頭痛がしたが我慢して出勤しました。電車の中で吐き気がしたのでトイレに駆け込み吐いてしまいました。
以後、毎朝頭痛がします。天気が悪いと頭痛が強くなります。時々吐き気もあります。

既往歴

めまい、不眠で睡眠導入剤服用

検査結果

骨盤の仙腸関節の動きの偏り、胸郭の可動性減少、右脳の交感神経亢進

経過

今回の頭痛は、目覚め型頭痛で脳内圧の亢進が疑われます。頭痛時に起きる吐き気は、脳内圧による自律神経の働きです。天気が悪い時に頭痛がひどくなるということから、気圧に左右されているということがわかります。気圧によって自律神経の働きに変動が起こります。これらのことから自律神経の交感神経が亢進をして脳内の動脈が収縮を起こします。その結果静脈が拡張してうっ血が起こります。そのため脳内圧が上がります。症状として頭痛と嘔吐が発生したということです。N.Mさんの場合、パソコンのマウスを使って仕事をしているために右腕の筋肉の緊張が起こり、右肩が前下方に引っ張られていました。そのため上部胸郭にねじれが起き血管が出入りをしている胸郭入口が固く狭められていました。狭くなっていたことで静脈の流れが悪くなっていたと考えられます。さらに左三叉神経に対する冷刺激で抑制がかかることから、右脳の交感神経の亢進が認められます。この交感神経の働きにより静脈が拡張してうっ血を引き起こすという二つのことが重なったために起こった頭痛と思われます。