子どもの発達4週間トレーニングを終えて

多摩市在住 小学4年生男児の母

 発達障害でこだわりが強く授業への集中が難しいなどの問題があり、迷った末に投薬を開始することになりました。

 薬は一定の効果がありましたが、副作用で食欲不振、情緒の不安定などの問題が出てしまい続けるべきか否か、息子のために何が良いのか悩む日々が続きました。

薬以外の方法で何かできることはないのかと探していたところ、こちらのトレーニングを知り、夏休みを利用して週3回×4週間集中的にトレーニングを受けることになりました。

 通い始めた頃息子は、体力がなく、いつも疲れたと言い、何事にも意欲がなく、なんとなくいつもイライラしている様な状態でした。

 毎回のトレーニングでは、弱い部分を見つけて調整することを繰り返し様々なアプローチを通して、出来なかったことを「できる」に変えて、その小さな「できた」を毎回積み重ねることが出来ました。そのことは本人の自信にもつながったと思います。

 1週間を過ぎた頃から表情も明るく元気になってきたと感じました。3週間を過ぎる頃には、前向きな発言も増え、トレーニングでも意欲や集中を見せるようになっていました。

 4週間を終えて何よりうれしいことは、本人が明るく前向きになれていることです。そして常に落ち着きがなく興味の向くままに動き回る息子に対し、いつもゆったりと優しいまなざしで向き合ってくださるので、息子はもとより私自身も様々な不安から解放されて安心して通うことが出来ました。

 先の見えない不安から押しつぶされそうな状態から、やれることを少しずつやっていこう。この子はこの子のペースで成長していけるという希望を持てるようになりました。全ての問題が一度に解決するわけではないので、今後も定期的に通わせていただきたいと思います。

アキヒロ先生、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

アカシジアを覚えておいてください!

 子どもの成長期に瞬きを頻繁にしたり、襟が気持ち悪いのを気にして頸を動かしているような動きをしたり、無意識に声が出てしまったりという「チック」があります。これらは、無意識に行ってしまう動作です。原因として臨床的にストレスやたんぱく質不足などから神経系の調節の乱れとして表れていることが多く見受けられます。

 このチックとは別に精神科のお薬の服用中に起こる副作用で「じっとしていられず、身体が動いてしまう」「座っていられない」「寝ていても勝手に手足が動いてしまう」というように、チックに似た症状が起きてしまうことがあります。

 これは、アカシジアという薬の副作用なので、薬を服用して3日から6週間で現れることが多いのですが、数か月から数年して現れたり、複数の薬の組み合わせによって現れたりするので、副作用と気が付かずに単に症状が悪化したものと思って、さらに薬の量が増えて悪化してしまうことさえもあります。

 なんか普通とちょっと違うなと感じたら、自己判断で服用を中止したり放置したり せずに、早急に医師又は薬剤師に連絡してください。自己判断での服用の中止によって、さらに重篤な症状が出現する場合があることに注意して下さい。

 

 厚生労働省の疾患別マニュアルによりますと、「一般にアカシジアは主にドパミン遮断薬により発現し、その中止ないし減量、あるいは中枢性抗コリン薬の併用などにより症状は軽減ないし消失する。その発生頻度は定型抗精神病薬では 20~40%と報告されているが、錐体外路症状の軽減を図って開発された非定型抗精神病薬でも、発生頻度はそれほど減っていないという指摘もある。アカシジアの発生機序はドパミン遮断作用が一因と考えられているが、十分に解明されているわけではなく、最近では選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などドパミン遮断作用を有しない薬剤での報告もなされており、アカシジアを起こしうる薬剤は抗精神病薬以外にも多岐にわたる。」とされています。

 

 発達障害の子どもにも処方が承認されている精神薬であっても、鉄の欠乏や糖代謝異常などが伴って症状が出現しやすくなることもマニュアルに記載されています。

 発達障害の子どもは、鉄の欠乏や糖代謝異常を伴うことが多く十分注意を払ってください。