夏の冷えにご用心 〜腸と自律神経を守るために〜

この夏は、気力の低下、不眠、倦怠感、肩こりや腰痛といった不調を訴える方が多く来院されました。検査をしてみると、自律神経と腸に異常が見られることが多く、伺うと「冷たい飲み物やアイスをよく摂っていた」という声が目立ちました。

冷たいものの摂りすぎは胃腸を冷やし、消化酵素の働きを弱め、血流の悪化を招きます。その結果、消化不良、下痢、便秘、食欲不振などの症状が出やすくなります。さらに腸が冷えると自律神経の働きが乱れ、脳にも影響が及びます。気分の落ち込みや倦怠感、免疫力の低下といった全身の不調につながるのです。

腸の働きが弱まると、体に不要な物質が血管内に侵入しようとするため、免疫反応が過剰になり炎症が起こります。炎症を抑えようとして副腎からホルモンが分泌されますが、これが自律神経のバランスを乱し、不眠や倦怠感の原因になることもあります。

腸と脳は自律神経やホルモン、腸内細菌を介して密接に関わり合っています。腸の調子が崩れると脳の働きにも影響し、慢性化すると過敏性腸症候群などの病気に発展する可能性もあります。

 

冷えから体を守るために

  • 冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎない
  • 食後は温かい飲み物で内臓を温める
  • 腹巻きでお腹を守る
  • 首・手首・足首など冷えやすい部位を温める

 

まだ暑さが残る時期でも、体の内側は意外と冷えています。腸をいたわり、自律神経のバランスを整えることが、

元気に季節を乗り越える秘訣です。