人間の行動と学習

お久しぶりです。

 

今日来た患者さんの歩行についてお話します。

 

その方は、右膝が長年痛くて歩く時に右膝をかばうように

右ひざを曲げずに突っ張ったまま歩いていました。

 

初めて来院された時は、

右ひざが30度ぐらいしか曲がらずやむを得ません。

現在は90度まで曲がるのですが、

まだ右膝を突っ張ったまま歩いてしまいます。

 

また、意識して膝を曲げようとすると確度が低下してしまいます。

ベッドに座って足を下げると90度まで曲がり、

ぶらぶら降ることもできます。

 

なんかおかしいですね。

 

人間の行動は記憶をもとに行われます。

 

初めてする動きは、

しばらく意識をして同じことを繰り返すことで

小脳を使い学習して記憶します。

いったん記憶をすると考えなくても簡単にできるようになります。

それを違う動きに変えるには、

しばらく意識をして学習し記憶し直さないと変えることはできません。

学習した時間が長ければ長いこと、

強い記憶として刻まれ行動に結び付いています。

 

この患者さんの場合も

曲げると痛いという記憶と痛みの出ない曲げない歩き方を強く記憶しているために

無意識に歩くと今までの歩き方になってしまいます。

 

今日は、鏡の前に立って足踏みの練習をさせました。

目で自分の右足を曲げて足踏みをしていることを見ることで

曲げても痛くない

曲げて歩けるということを記憶させるのです。

 

しばらく鏡を見ながら足踏みをさせて

そのリズムで歩くとうまく歩けます。

しかし、しばらくすると膝が突っ張ってしまいます。

これは、記憶が深いということです。

 

しかし、脳には可塑性と言って働きが変化する性質があります。

時間はかかるかもしれませんが、鏡を使ったり正常だったころのことを思い出しながら歩くことで

効率的に記憶を書き換えることが出来ます。

 

頑張りましょう。