大丈夫?子供のカラダ3

3.成長期は軟らかく、折れにくい、腕や脚の骨

3.成長期は軟らかく、折れにくい、腕や脚の骨

img01腕や脚のように長い骨は、幹の部分が、胎児の2~3か月目から骨化が始まり太さを増します。骨の先は、軟骨が成長しつづけて長くなります。その後を追うように、生後2週間から12才までの間に数か所で骨化が始まります。16~25才頃には、幹の部分と先端の部分の骨化がつながります。
長い骨の成長段階で起こりやすいことがいくつかあります。
成長期には骨が軟らかいので、強い衝撃を受けてもポキンと折れることは少なく柳のように曲がるような折れ方をします。複雑な骨折をしますと、左右で骨の長さが異なってしまうことがまれにあります。

img01親が子供と遊んでいるうちに、子どもの手を払いのけたり、引っぱった瞬間に「痛い」といって腕を下げたまま動かせなくなることがあります。これは、肘が抜けかけた状態です。肘の外側にある骨の先が太くなっていないために骨をベルトのように止めてあるじん帯から抜けそうになるのです。小学校に入るまでは、注意が必要です。子供の手を握るときは、親指をもたないこと。子供に握らせるようにしてください。

img01女の子がよくO脚やX脚を治したいと言って来ますが、ペチャンコ座りをする子は、太腿の骨が、股関節のところで内側へねじれたまま成長します。そのため膝が内側を向きます。爪先を内側に向けたペチャンコ座りの子は、膝から下の骨が、外側にずらされるように成長しますので、O脚になります。爪先を外側に向けたペチャンコ座りの子は、膝から下の骨が外側にねじられるように成長しますので、立ったときに爪先が外を向いてくるぶしが離れてしまうため、X脚になります。
成長段階で骨の形状が決まってしまったものは治りません。しかし、骨盤や内臓の問題で、内転筋の筋力低下を起こしている場合も、O脚になることがあります。これは、問題が解決されて、内転筋の働きが正常になれば治ります。見ための良さばかりでなく、機能的な良さを考えるようにしてください。

4.かむことが発達を促す頭蓋骨

img01。頭の骨は、脳を包んでいる部分と顔の部分に分けられます。この両方の骨のほとんどが、ゼラチンのような結合組織というものから硬い骨に変化していきます。
特に脳を包んでいる部分は、数か所の骨化点と呼ばれる部分から、放射状に硬い骨に変わっていきます。したがって、乳児の頭を触ると軟らかくてフニャフニャしているところがあります。そして脳の発達と合うように発達が速く、3才頃までに軟らかいところがなくなります。
顔の骨は、生後数年経ってから、顔に付いている筋肉の発達にしたがって、発達がよくなります。 したがって、上アゴの骨や下アゴの骨は、物をよくかむことによって成長していくのです。
顎(がく)関節も約20才まで成長をします。顎(がく)関節は成長過程やその後の生理的、機能的な周囲の環境に影響を受けます。スプーンを使って流し込む食べ方ばかりしたり、軟らかいものばかりを食べていると、かむ回数が少なくなります。下あごの成長が歯の成長に追いつけないで歯並びが悪くなり、そのためにかむ力が強くならずに形成がさらに遅くなってしまいます。
また、虫歯を抜いてしまってそのままにしていると、その両隣の歯が寄ってきます。すると、上の歯と下の歯の当たる位置が次第に変わってしまいます。そのため、かんだときにその部分が早くぶつかってしまう早期接触をおこします。虫歯を治療して詰めた金属が上の歯の形状とうまく合わない場合も、同じようなことが起こります。そのままにしておくと、かんだとき、顎関節の受けになっている側頭骨に加わる力の強さと方向に、左右で違いが出てきます。虫歯を作らずに何でもかめるようにしておくことが必要です。